このため職務経歴書に書くのは、基本「貴方のセールスポイント」となります。
日本人は古来より、自身を良く書く、注目を集めるようにアピールすることが大変
苦手な人種のため、ここで「セールスポイント」と銘打っても、なお控え目に
自己紹介をする方も多いかと思います。
その一方、アピールを「インパクトを与えること」と微妙に勘違いされている方も
かなりの数いるのではと思います。
ちなみにまとめると、職務経歴書が残念になる理由は主に下記の2点です。
@ 実績の魅力が伝わってこない
A アピールで強調している部分が、会社の現状と噛み合っていない
まず@については、職務経歴書内にひたすら淡々とこなしてきた案件、規模
内容、役割だけを書きつらねていて、個人としての魅力が出せていない
ケースです。
例えばサブリーダーのような役割だったとしても、その案件で何が壁となったか
それを自分がどのように克服したかを書き足すだけでもかなり書面の魅力が
変化します。
また失敗プロジェクトでも、自身がそこから得た教訓や周りにも頑張って
ほしかったこと等を分析することで、有能さをアピールすることも出来ます。
「数字の規模や案件名を見てくれれば凄さは判る」という価値観では
いけません。面接官は「貴方」を見ているのです。
さて@よりもよく陥りがちなのが Aのケースなのですが、例えば協力会社を再編した
ばかりの会社で「既存の協力会社を一掃し全て入れ替えた、大変苦労したがやり遂げた」
とアピールされても残念ながらそれ程相手には響きません。凄いことですが。
貴方が「コア」としてアピールすることが、会社にとっても「コア」
なのかを確認し、会社の「コア」に併せてアピールせねばならないのです。
例えばもしエージェントに会社の現状課題を聞き出してもらい、それが仮に
「協力会社の再編」だったならば、先述のアピールは完璧にマッチするはずです。
会社の課題は色々ありますが、例えばITで代表的なのは「老朽化したシステムの刷新」
「非効率な投資の洗い出し」「協力会社のコントロール強化」「セキュリティ強化」と
いったものがあります。
業種毎に、もっと言えば会社毎に喫緊で抱えている課題が必ずあるはずなので、それを
エージェント経由で明らかにした上で「それに類似した課題を解決したことが
ある」または「それを解決できるスキル素質がある」といった
アピールをしてみると良いでしょう。
職務経歴書も先述したソニーとアップルの違いに例えて
「自分の実績やスペックをアピールするソニーではなく」
「相手の『興味あるもの』にフォーカスし、それを実現するもの
だけを提供するアップルになる」
といったマインドで自己アピールをするのが効果的です。
・・・ちなみに私はウォークマン派ですが(笑)
次章はいよいよ「面接の心得」的なものをまとめようと思います。
人の価値は、人が決める。